

時間に試されて残るもの― カラヴァッジョと一本の時計から思ったこと ―
最近、久しぶりに「おっ」と思う腕時計を見た。 新品で買われてから長い年月を経ているらしいのに、 妙に生き生きとしていた。 別に欲しいわけではない。 ただ、美しいものに触れたときの、あの静かな高揚感。 それだけで十分だった。 仕事のことばかり考えていると、 こういう感覚は少し鈍りますね(笑)。 時間が価値を作るのではない よく「長く残っているものは価値がある」と言います。 でも最近は逆に思います。 時間が価値を作るのではなく、 価値があるものだけが時間を生き延びる。 腕時計もそうです。 流行に合わせただけのものは消える。 しかし、本当に良い時計は修理され、受け継がれ、 持ち主の人生と一緒に歳を重ねていく。 それは単なる工業製品というより、 時間と共存する工芸品に近い存在だと思います。 カラヴァッジョという例外的な画家 この話をすると、必ず思い出す画家がいます。 カラヴァッジョです。 彼の絵は400年以上前のものですが、 古典というより、今でも妙に生々しい。 聖人を理想化せず、 暴力や死を隠さず、 人間の恐怖や欲望をそのまま描いた。 当時はかなり物議

山田哲生
2月19日
