『母指CM関節症』
親指付け根の
変形性関節症
母指CM関節症の概略
母指CM関節症とは、手の親指の根本にある関節のことを言います。この病気を例えるならば、「家のドアのヒンジ」にたとえることができます。
想像してみてください。家のドアを開け閉めするたびに、ヒンジには少しずつ摩耗が生じます。新築の家ではドアはスムーズに動きますが、年月が経つにつれて、ヒンジの摩耗やサビでドアの動きが硬くなったり、ギシギシと音が出るようになります。これが正常な使用による自然な摩耗です。
母指CM関節症もこれと同じで、親指の根本の関節が「ヒンジ」のような役割を果たしています。年齢を重ねることで、または過度な使用によって、この関節が摩耗し、動きが悪くなったり、痛みを伴うようになります。最初はドアのヒンジが少し硬い程度かもしれませんが、放っておくと、ドアがきちんと閉まらないほどに悪化することもあります。
治療や対策は、この「ヒンジ」をできるだけ長持ちさせ、スムーズに動くようにすることに焦点を当てます。早期発見と適切な対策が重要です。
母指CM関節症について
母指CM関節は上図の赤丸で囲まれた部分です。この関節は親指の要の関節で、常日頃から大きな負担がかかっています。
常日頃から大きな負担がかかるこの関節にダメージが蓄積されると、関節が腫れます。ダメージの蓄積のしやすさは個人差があり、手の使い方や手の柔らかさ、筋肉の柔軟性など、またホルモンバランスの乱れなどが影響します。
関節の腫れやダメージを放置したままだと、どんどん関節の大事なクッションの役割を担う軟骨が摩耗し、変形性関節症が進行します。
関節が壊れていくと、親指全体のバランスが崩れ、鳥の首のように変形していきます。治療は、バイオセラピーを含めた広義のインターベンション治療をメインに行なっています。