

『ブシャール結節』
第二関節の
変形性関節症
ブシャール結節の概略
指の真ん中の関節が、太くなってきた方へ
「いつの間にか、指の真ん中の関節が太くなっている……」
「以前は簡単に握れたものが、うまく握れなくなってきた」
「指を曲げると痛い。しかも、最後まで曲がらない」
このような症状がある方は、**ブシャール結節(PIP関節変形性関節症)**かもしれません。
指の関節が太くなると、どうしても見た目が気になります。しかし、ブシャール結節で問題になるのは、見た目の変化だけではありません。
指の動きそのものが変わり、これまで当たり前にできていた動作が、少しずつ難しくなることがあります。
ブシャール結節とは?
指を見てみましょう。
指先から数えて一つ目の関節をDIP関節、二つ目の関節をPIP関節と呼びます(親指は関節の構造が異なります)。
ブシャール結節は、このPIP関節に起こる変形性関節症に伴って生じる、骨の出っ張りや関節の太まりのことです。
指先のDIP関節に起こるヘバーデン結節とよく似ていますが、関節の場所が違います。
PIP関節は、指をしっかり曲げて物を握るために重要な関節です。
たとえば、包丁を握る、雑巾を絞る、重い買い物袋を持つ。
何気ない動作でも、PIP関節は大きく動き、力を受け止めています。
そのため、この関節に変形や動きの制限が生じると、生活のさまざまな場面で不便を感じるようになります。
どんな症状が出るの?
代表的な症状は、関節の腫れ、痛み、そして動きの制限です。
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指の真ん中の関節がゴツゴツと太くなる
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曲げ伸ばしのときに痛む
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朝起きたときに関節がこわばる
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握りこぶしを作ろうとしても、指が最後まで曲がらない
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指をまっすぐ伸ばしきれなくなる
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関節が横に曲がるなど、指の形が変わってくる
ただし、これらの症状がすべて現れるわけではありません。
関節が大きく変形していても、あまり痛みを感じない方がいます。反対に、外見上はほとんど変化がなくても、腫れや炎症によって強い痛みを感じる方もいます。
関節の変形の程度と、痛みの強さは必ずしも一致しないのです。
なぜ、関節が太くなるの?
健康な関節では、向かい合う骨の表面が軟骨で覆われています。
軟骨は、骨同士が滑らかに動くためのクッションのようなものです。
ところが、変形性関節症では、この軟骨だけでなく、骨や滑膜、靱帯など、関節を構成するさまざまな組織に変化が生じます。
その代表的な変化が、**骨棘(こつきょく)**です。
骨棘とは、関節の縁にできる骨の出っ張りのことです。
関節の周囲に少しずつ骨が形成されることで、もともとなめらかだった関節の輪郭が、ゴツゴツとした形に変わっていきます。
これが、ブシャール結節で関節が太くなる理由の一つです。
しかし、関節が太く見える原因は、骨だけではありません。
関節の内側には、滑膜(かつまく)という薄い組織があります。滑膜に炎症が起きると、組織が厚くなったり、関節液が増えたりして、関節が腫れることがあります。
つまり、同じように太く見える関節でも、骨が出っ張っている場合と、炎症によって腫れている場合、あるいはその両方が起きている場合があるのです。
なぜ、指が曲がりにくくなるの?
ここが、ブシャール結節を理解するうえで重要なところです。
指を曲げるとき、関節の中では、向かい合った骨の表面が滑らかに動いています。
ところが、変形性関節症が進行すると、軟骨が薄くなり、関節面の形が変化します。
骨の縁にできた骨棘が関節の動きを妨げたり、関節を包む組織が硬くなったりすることもあります。
たとえば、ドアの蝶番(ちょうつがい)を想像してください。
蝶番の軸や周囲の形が変わったり、動く部分が硬くなったりすると、以前のように滑らかには開閉できなくなります。
指の関節でも、これに似たことが起こります。
曲げようとしても途中で動きが止まる。あるいは、伸ばそうとしても完全には伸びない。
このような状態になると、指の形が変わるだけでなく、物を握るという動作そのものに影響が出てきます。
また、関節に炎症がある場合は、痛みや腫れによって一時的に動かしにくくなることもあります。
つまり、指が曲がらない理由も、一つではありません。
レントゲンでは何が見えるの?
レントゲンでは、関節の内部で起きている骨や関節面の変化を調べます。
代表的な所見は、次のとおりです。
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骨棘形成:関節の縁に骨の出っ張りが形成されます。ブシャール結節のゴツゴツとした外見に関係する変化です。
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関節裂隙狭小化:レントゲンでは、骨と骨の間に隙間が見えます。この隙間には軟骨が存在しますが、軟骨そのものは通常のレントゲンには写りません。軟骨が薄くなると、骨と骨の隙間が狭く見えるようになります。進行した関節では、隙間がほとんどなくなることもあります。
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軟骨下骨硬化:関節面のすぐ下にある骨の密度が高くなり、レントゲンでは白く濃く写るようになります。
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骨嚢胞:関節面の近くの骨の内部に、小さな空洞のような変化が見られることがあります。
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関節の変形や配列異常:関節面の形が変わったり、骨の位置関係がずれたりすることで、指が横に曲がることがあります。
これらの所見を組み合わせることで、関節にどのような変化が起きているのかを調べます。
骨が削られるような変化が起きることもある
変形性関節症というと、軟骨がすり減り、骨の出っ張りができる病気という印象があるかもしれません。
しかし、一部の患者さんでは、それとは異なる特徴的な変化が起こります。
関節面の中央部分の骨が、削り取られたように欠けていくのです。
このような変化を伴うものを、びらん性変形性関節症と呼びます。
レントゲンでは、関節面に特徴的な凹凸が現れます。
PIP関節では、その形が、のこぎりの歯のように見えることがあり、「saw-tooth appearance」と表現されます。
びらん性の変化が起きた関節では、骨が欠けた後に再び骨が形成され、関節面の形が変わっていくことがあります。
場合によっては、向かい合う骨同士がつながり、関節が動かなくなることもあります。
すべてのブシャール結節がこのような経過をたどるわけではありませんが、変形性関節症には、骨の出っ張りが形成されるだけではない、さまざまな変化があるのです。
エコーでは何がわかるの?
エコー(超音波)検査では、レントゲンとは違った角度から関節の状態を観察できます。
たとえば、関節を包む滑膜が厚くなっていないか、関節液が増えていないかなどを確認できます。
さらに、ドプラ法を用いることで、滑膜の血流の増加を調べることもできます。
また、骨の表面に形成された骨棘を観察することもできます。
レントゲンが骨や関節面の形を調べるのに適しているのに対して、エコーは炎症による変化や、関節周囲の軟部組織を観察するのに役立ちます。
本当にブシャール結節なの?
指の真ん中の関節が腫れているからといって、必ずしもブシャール結節とは限りません。
たとえば、関節リウマチでもPIP関節に腫れや痛みが起こることがあります。
乾癬性関節炎や痛風などでも、同じような症状が現れる場合があります。
また、以前に骨折や脱臼をした関節が、時間の経過とともに変形してくることもあります。
関節リウマチなどの炎症性関節炎と、変形性関節症では、病気が起きる仕組みも、関節に現れる変化も異なります。
そのため、腫れている場所や関節の形、レントゲンやエコーの所見を組み合わせて、何が起きているのかを判断します。
大切なのは、関節の形だけではありません
ブシャール結節では、関節が太くなったり、曲がったりするため、どうしても見た目に意識が向きやすくなります。
しかし、同じように変形していても、痛みもなく日常生活に困っていない方もいれば、わずかな変形でも、指を動かすたびに痛みを感じる方もいます。
また、指が曲がりにくい場合でも、痛みが原因で動かせないのか、関節そのものの動きが制限されているのかによって、関節の状態は異なります。
関節がどれほど変形しているかだけでなく、その指で何ができて、何ができなくなっているのか。
そこに目を向けることが、ブシャール結節を理解するうえで大切なのです。













指の第二の関節が、ゴリゴリ・腫れてきた方へ
「指の二番目の関節が、なんかゴツゴツしてきた…」
「痛いときもあるし、見た目も気になる…」
それ、もしかしたら
PIP関節変形性関節症(通称ブシャール結節)かもしれません。
PIP関節ってなに?

PIP関節は、指先から二番目の関節のことです。
この関節が、さまざまな影響で変形してしまうのが、この病気です。
よくある症状

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PIP関節がゴリゴリ・ボコッと腫れてくる
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見た目が気になって、人前で手を出したくない
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朝や使いすぎたときにズキズキ痛む
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指を動かすと引っかかる感じがする
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指に力が入りにくい
原因は?
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はっきりと「これ!」という原因は分かっていませんが、
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年齢による関節のすり減り
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遺伝(親も同じ症状があったなど)
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長年の手の酷使
などが重なって起きると考えられています。
どうやって診断するの?
エコー(超音波)やレントゲンで、関節の状態や軟骨のすり減り具合を確認します。