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母指CM関節症──本当の原因は「軟骨」ではなく「筋の張り」にあります〜内転筋の拘縮がつくる“わずかなズレ”と、その連鎖を断つハイドロリリース〜

  • 執筆者の写真: 山田哲生
    山田哲生
  • 2025年12月2日
  • 読了時間: 3分


母指CM関節症(親指の付け根の痛み)は、「軟骨がすり減って起こるもの」「年齢のせい」と説明されることが多いのですが、実は、それだけではありません。

本当の出発点は “筋の張り(特に母指内転筋の拘縮)” にあります。

これは海外の研究でも報告されており、母指内転筋が硬くなってくると、第一中手骨がわずかに内側へ引き寄せられることが明らかになっています。

この “わずかなズレ(partial displacement)” が、痛みや不安定感、変形のはじまりです。


1|どうして筋の張りで関節が痛くなるの?


筋が硬くなると、力のかかり方が変わります。本来まっすぐ受けるはずの力が、“横から押されるような状態”になります。

すると──

  • 関節が不自然な方向に押される

  • 関節面に偏ったストレスがかかる

  • 動かすたびに痛みが出る

  • 徐々に関節が変形しやすくなる

これが CM関節症の本当のメカニズムです。


2|“筋→骨→免疫” と連鎖して進行していく病気です


筋の張りで関節がズレると、その周りにある滑膜や細胞が“異常な刺激”を受け続けます。

すると、炎症を担当する細胞(マクロファージなど)が「炎症モード」に切り替わり、関節包を硬くしていくという流れが起きます。

まとめると、

  1. 筋が硬くなる

  2. 骨がわずかにズレる

  3. 炎症細胞が働き始める

  4. 関節がさらに固まり、ズレが固定される

という “悪循環” で進行していきます。


3|この悪循環を断ち切るのが「手内筋ハイドロリリース」


ハイドロリリースは、“筋膜の滑り” を取り戻し、“筋の張り” を根本から解放する治療です。

特に、母指内転筋や短母指屈筋など、CM関節に負担をかけている深い層の筋に対して行うことで、

  • 第一中手骨を内側に引き込む力が弱まる

  • 関節の動きが自然に戻る

  • 局所の血流や免疫環境が正常に近づく

  • 炎症が静まり、痛みが軽くなる

といった連鎖的な改善が期待できます。

関節そのものをいじらなくても、“力の流れ” を整えることで症状が改善し、進行予防にもつながります。


◆ 4|まとめ


CM関節症は「筋・力学・免疫」の3つが絡み合う病気です

  • 痛みの理由を“軟骨のせい”だけにしない

  • 内転筋の拘縮が第一中手骨をわずかにズラす

  • そのズレが炎症細胞を刺激し、関節が硬くなる

  • ハイドロリリースでこの連鎖を断つことが可能

あなたが感じている「ものをつまむと痛い」「瓶のフタが開けづらい」といった症状は、ただの老化ではありません。

正しい場所に正しくアプローチすれば、改善しうる理由が“ちゃんと存在する”痛みです。

当院では、こうした“筋 × 力学 × 免疫”の観点から診断と治療を行い、あなたの手が本来もっている動きを取り戻すお手伝いをしています。

 
 
 

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